孫子の兵法 「兵は拙速を聞くも未だ巧久なるを見ず」なぜ完璧主義はダメなのか?

スピード!スピード!丁寧でも遅れたら終わり 孫子の兵法

孫子の兵法における位置づけ

兵は拙速(せっそく)を聞くも、未だ巧久(こうきゅう)なるを見ず

こちらは、孫子の兵法の作戦篇(第二)で説明されているフレーズです。

特にこのフレーズのうちの「拙速」(せっそく)については、詳しく知らなくても、聞いたことだけはあるという方は結構いるんではないでしょうか。

それくらい我々の普段の仕事や生活においても入り込んでいる知恵とも言えるフレーズ・名言と言えると思います。

まずはシンプルにストレート現代訳

では、冒頭に説明したフレーズを2つに分けて、まずは簡単に現代訳していきます。

①兵は拙速を聞くも

→戦争においては、まずくとも(雑であっても)素早く切り上げることはあるが、

②未だ巧久なるを見ず

→(逆に)上手くやったのに長引くということは聞いたことがない。

要するに、戦いを行う際には、多少、雑であっても、スピードを最優先して、これに取り組むべきであり、時間を長くかけて良い結果につながったものはない。

シンプルには現代語訳としては、こんな感じでしょうか。ただ孫子の兵法の時代としては、あくまでも戦乱の世の中において生きる君主や将軍向けの書物として孫子の兵法は書かれています。

続けて、このフレーズの背景と現代の我々に生きる教訓について考えていきましょう。

戦争においては速度の重要性がとんでもなく大きい

孫子の兵法が書かれた当時の背景からは、戦争が1日長引けば千金の費用が追加でかかることになったとされています。

沢山の兵士を軍隊として拘束している以上は、最低限、彼らの食糧を全て用意しなければなりません。また、移動のための馬や車輌の維持のための飼料や消耗品も必要です。そして、調理や暖房としての燃料も毎日必要となります。

例えば、5万人の軍隊を敵軍との対峙のために必要としていたケースは、孫子の兵法の時代にもよく描かされていますが、5万人分の食糧、燃料、消耗品を毎日毎日消費していくのです。これだけのお金をかけて、大した成果もあげられなかったとしたら、国が疲弊(ひへい)するのは明らかですね。

その場合、何の生産性もない5万人を養わなければならないことになりますからね。

そして、戦争を長引かせてしまった場合、戦争で負けなかったとしても、多くの費用を使いすぎてしまうことで財政破綻してしまうリスクがあります。

もちろん財政破綻すれば、その後は国力が落ち、戦争どころではなくなってしまいますので、敵国にそこを付け込まれることになってしまうのです。

だからこそ、戦争においては、速度がとても重要なポイントとなったのかと思われます。

現代に生きる教訓

今回の孫子の兵法のフレーズですが、現代でも生きる教訓としては、完璧主義すぎて機会を逃してはいけないということが言えるのではないでしょうか。

完璧主義というのは、「完璧(かんぺき)」という言葉だけ見ると、パーフェクトなわけですし、何の問題があるの?と思いがちでもありますが、何について「完璧」なのか?が問題なんですよね。

時間やエネルギーを死ぬほど使って、最終的に出来上がる作品などの品質がいかに完璧か?という点にこだわっているとするのであれば、かかりすぎた時間やエネルギーの面から考えると、全然良い結果をもたらさないということも考えられるからです。

2年間時間を使って1つの作品を完成させて、公開したところ、世間からの評価では、自分が期待したような高評価を得ることができず、それに失望して、あんなにエネルギーをかけたのにダメだったからもう辞めよう・・・というケースは結構多いかもしれません。

その一方で、もっとずっと短い期間で、本当にざっくりした簡単なデモやテスト版を作って、公開して、世間の反応をチェックの上で、そこで気づいた問題点を解決した、改善版を、すぐに作り直して、再度公開、さらに世間の反応をチェックして、リバイズ・改善を繰り返していくことで成功にたどり着くケースもあるでしょう。

このように、トライ&エラーを早く繰り返すのが、時間やエネルギーが有限である以上は、結果的に成功のスピードと確率を早めることになります。もし成功を得るのに時間を使い、遅くなってしまえば、たとえ、それが慎重なやり方であったとしても、結局は、費用・体力を失い、成功に辿りづく前に、ゲームオーバーとなってしまいます。

人生においても、同様、その短さを忘れてしまうと、あっという間に、光陰矢の如し、、ですね。

これは、商売でも、皆さんのそれぞれのお仕事や勉強、スポーツ等でも、同じなのではないかと思っています。

Youtubeでも、上記について語ってみました。

いかがだったでしょうか。今回、Youtubeでも孫子の兵法の「兵は拙速なるを聞くも未だ巧久なるを見ず」について語ってみました。音声だけを聞きながしながら作業をするなどでもぜひご活用板絵だければ幸いです。

チャンネル登録、高評価もいただければ大変嬉しいです。ぜひご覧ください

孫子の兵法 – 「兵は拙速を聞くも未だ巧久なるを見ず」なぜ完璧主義はダメなのか?

 

 

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